派遣契約の流れ

派遣を依頼する前に決めておくこと

人材要件の整理

派遣を依頼する前に「どのような人材が必要か」を明確にすることが重要です。担当してもらう業務範囲や求めるスキルレベルを整理し、業務量に応じた必要人数を決めます。また、派遣期間や就業開始時期も事前に設定しておくことで、派遣会社が最適な人材を選定しやすくなります。

これらの要件が曖昧なままだと、ミスマッチが起こりやすく、採用までの時間も長引きがちです。事前に人材要件を整理することで、スムーズかつ効率的な派遣依頼につながります。

派遣が適切かの判断軸

そもそも「派遣が最適なのか」を判断することも重要です。短期的な人員補充や突発的な欠員対応、専門性よりも即戦力重視の場合は派遣が適しています。一方、将来的に自社雇用を見据えるなら、一定期間の見極めが可能な紹介予定派遣が有効です。

また、成果物に対して責任を持って外部に任せたい場合は、請負・業務委託が向いています。

期間制限の基本(事業所単位・個人単位)と抵触日の把握

派遣法に定められた「期間制限」を正しく把握しておくことが重要です。事業所単位では、同一の組織単位で派遣労働者を受け入れられる期間は原則3年までとされています。また、個人単位でも、同じ派遣スタッフを同一組織で受け入れられる上限は3年です。この2つがどちらも守られている必要があります。

期間制限の起点となる「抵触日」を把握しておかないと、気づかないうちに制限を超えてしまい、法令違反になる可能性があります。依頼前に必ず確認し、適切な受け入れ計画を立てることが重要です。

依頼〜就業開始までの全体フロー

ステップ1:派遣会社へ相談・ヒアリング

まずは派遣会社に相談し、必要な人材像や業務内容についてヒアリングを受けます。この段階で、要件定義(業務範囲・スキル・人数・期間)を明確に伝えることが重要です。

また、就業場所の環境や使用するツール、チーム体制など職場情報を共有することで、派遣会社はより適した人材を選定しやすくなります。丁寧な情報提供が、マッチング精度を高める鍵となります。

ステップ2:見積・候補者提示

要件を基に、派遣会社から見積と候補者プロフィールが提示されます。この際、年齢・性別などを理由にした選別依頼は派遣法で禁じられており、スキルや経験など業務に必要な要件のみで判断することが必要です。候補者が合致すれば職場見学へ進み、業務内容や環境を説明し、双方の理解を深めます。ただし、見学時に面接のような選考行為はできません。職場理解を促す場として進めることがポイントです。

ステップ3:抵触日の通知と情報提供

候補者が確定すると、派遣会社から「抵触日」が通知されます。これは事業所単位・個人単位の期間制限に抵触する日を示すもので、受け入れ側が法令上の上限を把握するために不可欠です。

併せて、派遣先は「比較対象労働者」の情報を整理し、派遣会社へ提供します。比較対象労働者とは、派遣スタッフの待遇決定において基準となる自社従業員のことです。賃金、手当、福利厚生などの待遇情報を適切に提示することで、派遣会社が派遣スタッフの待遇を法令に沿って設定でき、トラブル防止にもつながります。

ステップ4:契約締結

職場見学や各種情報提供が終わったら、派遣会社と「基本契約」を締結します。基本契約は、両社間で派遣取引を行う際の共通ルールを定めたもので、その後の全ての派遣契約の土台になります。

続いて、個々の受け入れ案件ごとに「個別契約(派遣個別契約書)」を締結します。ここでは、業務内容・期間・就業条件・料金・指揮命令者など、法令で定められた必須条項が正確に記載されているか確認することが重要です。不備があると法令違反やトラブルの原因になるため、内容を丁寧にチェックして締結します。

ステップ5:受け入れ準備

契約締結後は、派遣スタッフがスムーズに就業できるよう受け入れ準備を行います。まず、派遣スタッフへの指示系統を明確にするため「派遣先責任者」を選任します。また、業務開始に必要なアカウント発行、PC・制服・入館証などの備品手配を進めます。

安全衛生面の確認も重要で、職場の危険箇所やルールの共有、作業手順書の整備などを事前に行っておくことで、初日から安心して業務に取り組める体制が整います。丁寧な準備が早期戦力化につながります。

ステップ6:就業開始

就業初日は、派遣スタッフがスムーズに業務へ入れるよう導入プログラムを実施します。職場ルール、安全衛生、担当業務の概要、指揮命令者の確認などを丁寧に説明することが大切です。また、勤怠の報告方法や休憩ルール、シフト変更時の連絡手順も明確に伝えます。これらを初日に共有しておくことで、円滑な勤務とトラブル防止につながります。

契約実務の要点

基本契約で定めるべき事項

基本契約は、派遣取引全体の共通ルールを定める最上位の契約です。派遣料金の算定方法、請求・支払条件、秘密保持、トラブル時の責任分担、個人情報保護、災害・事故発生時の対応など、継続的な取引に必要な事項を包括的に規定します。

また、労働者派遣法に基づく協力義務・情報提供義務などの遵守を明記することで、後の個別契約を円滑かつ確実に締結できる基盤を作ります。

個別契約の必須記載

個別契約は、案件ごとに人材の就業条件を定める重要書類です。業務内容、就業場所、就業時間、派遣期間、指揮命令者、派遣料金、苦情処理体制など、法令上の必須条項を正確に記載する必要があります。

安全衛生上の配慮事項や必要なスキル・資格、契約更新や中途解除の取り扱いも明確にすることで、トラブルを防ぎ、双方の認識を一致させる役割を果たします。

事前面接等の禁止と適法なコミュニケーション

派遣先が派遣労働者を「選別」する行為は、派遣法により禁止されています。事前面接、履歴書の提出、個人情報の取得、試験・デモ作業などは行えません。一方で、業務内容や職場環境を説明する「職場見学」は適法であり、派遣会社が同席したうえで、派遣スタッフが働くイメージを持てるよう情報提供することは可能です。

あくまで選考ではなく、ミスマッチ防止のための説明に徹することがポイントです。

電子契約・収入印紙の要否と実務

派遣契約は、電子契約での締結が一般的になっており、紙の契約書に比べ管理・締結スピードの点でメリットがあります。電子契約の場合、印紙税法上の「課税文書」には該当しないため収入印紙は不要です。

一方、紙契約で「請負に関する契約書」等に該当すると判断された場合は印紙が必要なケースがあります。実務上は電子契約を選択する企業が多く、コストと手続き負担を軽減できます。

法令順守と必須書類

派遣先管理台帳の作成・記載項目・保管期間

派遣先は、派遣労働者を受け入れるたびに「派遣先管理台帳」を作成し、必要事項を記載する義務があります。記載項目には、派遣スタッフの氏名、従事業務、就業場所、指揮命令者、派遣期間、労働時間、安全衛生措置などが含まれます。台帳は派遣元・派遣スタッフ双方の情報管理の基礎資料となるため、正確な記録が重要です。

保管期間は作成日から3年間と定められており、監査やトラブル発生時に備え、適切な管理が求められます。

同一労働同一賃金対応(均等均衡/労使協定方式)と情報提供

同一労働同一賃金の実現のため、派遣元は「派遣先均等・均衡方式」または「労使協定方式」を選択して待遇を決定します。

均等均衡方式では、派遣先の比較対象労働者の待遇情報(職務内容、賃金、手当、教育訓練など)を派遣先が提供する必要があります。労使協定方式では派遣元が協定に基づき待遇を決めますが、派遣先は業務内容や必要スキルに関する情報提供が求められます。正確な情報共有は、法令順守とトラブル防止の要です。

期間制限の管理

派遣労働者の受け入れには、事業所単位・個人単位いずれも原則3年の期間制限があります。期間を延長する場合、過半数労働組合(または過半数代表者)への「意見聴取」が必須です。意見が反対であっても延長は可能ですが、聴取手続きの実施と記録が求められます。

抵触日や延長内容は派遣元に書面で通知する義務があります。これらを怠ると法令違反となるため、受け入れ期間の管理は計画的に行うことが重要です。

労働契約申込みみなし制度のリスクと回避

労働契約申込みみなし制度とは、違法な派遣受け入れを行った場合、派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものと「みなされる」制度です。事前面接や指揮命令権の逸脱、期間制限違反、無許可派遣などが対象となり、派遣先が意図せず直接雇用義務を負う重大なリスクがあります。

リスクを回避するには、派遣元との適正な契約、法令に沿った受け入れ運用、選考行為の禁止徹底、期間制限管理などが不可欠です。制度を理解し、日常の運用で違反を防ぐことが最も重要です。

コスト設計と見積確認ポイント

派遣料金の内訳イメージ

派遣料金は「派遣スタッフの賃金(時給)+社会保険料などの法定福利費+派遣会社のマージン」で構成されます。賃金はスキル・経験・地域相場により大きく変動し、さらに交通費や深夜割増なども含まれます。マージンには、採用・育成コスト、営業・管理費、トラブル対応、福利厚生などが含まれ、派遣会社によって割合が異なります。料金の内訳を理解することで、適正価格かどうかの判断や、サービス内容とのバランス確認がしやすくなります。

相見積もりで確認すべき条件

複数社から見積を取る際は、単に時給の高さだけで判断せず、条件の中身を比較することが重要です。特に、求めるスキルや経験の定義が一致しているか、稼働前の研修・安全教育の範囲、スタッフ交代保証の有無・期間などを確認しましょう。これらが曖昧なままだと、見積額が低くても実際のミスマッチや追加コストにつながることがあります。条件の粒度を揃えて比較することで、より実態に合った判断が可能になります。

追加費用が発生しやすいケースと契約条項

追加費用が発生しやすいのは、業務内容の変更、シフト拡大、残業増加、専門スキルの追加要求など、当初想定との乖離が生じた場合です。また、急な欠員補充や大量募集が必要になった際も追加料金が発生することがあります。

契約書では「業務内容変更時の料金改定」「割増対象となる時間帯」「追加要員手配の費用」「キャンセル・中途解除の取り扱い」などの条項を必ず確認することが重要です。事前にルールを明確化することで、予期せぬコスト増を防げます。

まとめ

派遣を依頼する際は、事前に人材要件や契約方式の選択、期間制限の確認を行います。その後、派遣会社との相談で業務内容・職場情報を共有します。見積や候補者提示のステップでは法令上の禁止行為に注意しましょう。抵触日通知や比較対象労働者情報の提供を経て、基本契約・個別契約を締結し、受け入れ準備として責任者選任や備品手配、安全衛生整備を行います。

派遣取引全体の共通ルールを定める基本契約を締結した上で、案件ごとに人材の就業条件を定める個別契約を締結するという流れです。派遣労働者を受け入れるたびに「派遣先管理台帳」を作成しなければいけません。また、派遣期間は原則3年という上限があります。上限を超える場合のルールも遵守し、リスクを回避しましょう。

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