急な欠員が出たときや、数日間だけの繁忙期。企業にとって「1日単位で人を呼びたい」というニーズは常にあります。そこで選択肢に上がるのが「日雇い派遣」ですが、実はこれ、法律で「原則禁止」されていることをご存知でしょうか?
この記事では、企業担当者が押さえておくべき日雇い派遣のルールをわかりやすく解説します。
一般的に、以下の条件に該当する派遣契約を指します。
「1日だけ」「今週だけ」といったスポットの派遣は、すべてこの「日雇い派遣」に分類されます。
かつて日雇い派遣は、企業にとっては柔軟な人員確保の手段として、労働者にとってはスキマ時間に働ける手段として急速に普及しました。しかし、その一方で「雇用の質の低下」が深刻な社会問題となりました。
2012年の法改正で原則禁止へと舵が切られた最大の理由は、労働者の保護と安全を確保するためです。短期間の契約を繰り返す働き方は収入が極めて不安定になりやすく、労働者のキャリア形成を阻む要因となっていました。また、現場を転々とする特性上、就業先での十分な安全教育が行き届かないまま業務に就くケースが多く、労働災害が発生しやすいというリスクも指摘されてきました。
さらに、31日未満の雇用では社会保険の加入対象から外れやすいため、万が一の際のセーフティネットが不十分になりやすいという側面もあります。これらの課題を解消し、より安定した雇用形態へ導くために現在の厳しいルールが定められています。
「1日単位で人を呼ぶ」という点では同じに見える「単発バイト」と「日雇い派遣」ですが、法律上の扱いは全く異なります。
最大の違いは「雇用主が誰か」という点です。単発バイトは、企業が労働者と直接雇用契約を結ぶ形態です。この場合、派遣法の制限は受けないため、1日単位の雇用であっても違法にはなりません。一方、日雇い派遣は「派遣会社」が労働者と雇用契約を結び、貴社に送り出す形態です。この「派遣」という仕組みを利用する場合にのみ、期間の制限が発生します。
つまり、自社でアルバイトを直接募集して採用するのであれば問題ありませんが、派遣会社からスタッフを1日だけ受け入れる場合には、後述する「例外条件」をクリアしている必要があるのです。
「31日未満の派遣は禁止」という大原則はありますが、すべての仕事がダメなわけではありません。専門性が高い業務や、働き方の特性上、短期間であっても労働者の保護に支障がないと判断された「18の業務(職種)」に限っては、日雇い派遣が認められています。
これらの業務に該当する場合、スタッフ側の条件(年齢や年収など)を問わずに、1日単位での派遣依頼が可能です。具体的な業務範囲は、以下の通りです。
ここで企業担当者として注意したいのは、「名目上の職種」ではなく「実際に行う業務内容」で判断されるという点です。
例えば、「受付・案内」という名目で依頼したものの、実際には「裏方での梱包作業」や「清掃」がメインだった場合、それは例外業務とは認められません。もし労働局の調査が入った際に実態が伴っていないと判断されれば、派遣法違反として指導の対象となってしまいます。
例外業務として依頼する際は、「派遣スタッフに具体的に何を任せるのか」を明確にし、その内容が上記の18業務の定義に合致しているかを、事前に派遣会社としっかり擦り合わせておくことが不可欠です。
派遣法では、雇用の安定性が比較的確保されている、あるいは学業が本業であるといった「日雇い派遣による不利益を受けにくい」とされる人々を例外として認めています。
これらの例外条件を適用する場合、派遣会社はスタッフが条件を満たしていることを証明する書類(住民票、学生証、源泉徴収票など)を確認する義務があります。
企業(派遣先)側が直接これらの書類を回収する必要はありませんが、コンプライアンスの観点から、「派遣会社が正しく例外要件を確認し、その根拠となる書類を把握しているか」をチェックしておくことは非常に重要です。「本人がそう言っていたので大丈夫です」といった曖昧な管理をしている派遣会社との取引は、後のリスクにつながりかねないため注意しましょう。
日雇い派遣の最大のメリットは、その機動力にあります。
「急な欠員が出た」「来週だけ予想以上の受注が入った」「短期イベントの設営日だけ人手が足りない」といった、突発的かつ一時的な人員ニーズに対し、最短期間で必要な人数を揃えることが可能です。自社で求人広告を出して応募を待つ時間がない場面において、登録スタッフを抱える派遣会社は非常に頼もしい存在となるでしょう。
特に「18の例外業務」に該当する職種で依頼する場合、派遣されるスタッフは一定の専門知識や実務経験を持っているケースが多いため、教育の工数を最小限に抑えられます。
日雇い派遣のスタッフは、さまざまな現場で短期業務をこなしてきた「現場慣れ」している人も多く、基本的なビジネスマナーや共通の作業ルールを熟知しているため、受け入れ初日からスムーズに実務に入ってもらえることが期待できます。
自社で単発アルバイトを募集する場合、求人広告の掲載や応募者対応、面接といった採用フローに加え、入社手続きや給与計算、さらには源泉徴収票の発行といった煩雑な労務管理をすべて自社で完結させなければなりません。
日雇い派遣を利用すれば、こうした一連のプロセスを派遣会社が代行するため、企業の担当者は契約内容の確認と請求管理のみで済み、人事・総務リソースをより重要なコア業務へと集中させることが可能になります。
通年で人を雇うと、仕事の量に関わらず一定の給与(固定費)が発生します。日雇い派遣を活用すれば、業務量が多いピーク時のみ人員を増強し、閑散期にはコストを抑えるといった、人件費の「変動費化」が可能になります。
「常に誰かがいる状態」ではなく「必要なときだけ戦力が加わる状態」を作ることで、無駄な人件費を削り、利益率の向上に寄与します。
日雇い派遣は、一歩間違えれば「違法派遣」とみなされるリスクを孕んでいます。派遣先の人事担当者もルールを正しく理解し、適切な運用を行うことが不可欠です。
最も重要かつ基本となるのが、派遣されるスタッフが本当に「例外対象者」に該当しているかどうかの確認です。派遣会社には、学生証や所得証明書といった根拠となる書類を確認する義務がありますが、企業側としても「適切に確認が行われているか」を派遣会社に念押ししておく必要があります。
万が一、本人の虚偽申告などにより、要件を満たさないスタッフが就業してしまった場合、企業側も「不適切な受け入れ」として法的リスクを負う可能性があるため、管理体制が整った信頼できる派遣会社を選ぶことが重要です。
日雇い派遣を「18の例外業務」として依頼している場合、その業務内容の範囲内でのみ指示を出さなければなりません。例えば、「事務用機器操作」で契約しているスタッフに対し、手が空いたからといって現場の清掃や荷物の運搬といった、契約に含まれない作業を命じることは、実態が例外業務に該当しない「不適正な派遣」とみなされる原因になります。
日雇い派遣は、あくまで「特定の目的」のために活用されるものであるという認識を現場全体で共有しておくことが大切です。
日雇い派遣のスタッフは、文字通りその日限りの勤務となることが多いため、長期のスタッフのような「働きながら徐々に慣れてもらう」という余裕がありません。就業初日の開始数分で、業務内容や安全上のルール、施設の使い方を的確に伝えられるマニュアルが整っていないと、パフォーマンスが発揮されないばかりか、予期せぬトラブルを招くことになります。
短時間で戦力になってもらうためには、受け入れる側の徹底した事前準備が、直接雇用以上に求められます。
日雇い派遣のスタッフは、複数の現場を掛け持ちしてスケジュールを組んでいるケースが少なくありません。そのため、当日の業務が終わらなかったからといって「明日も残ってほしい」という急な要望には、原則として応えてもらえないと考えた方が賢明です。
日雇い派遣を活用する際は、その期間内で確実に完結する業務を切り出すか、あるいはあらかじめ余裕を持った人員配置を計画しておくといった、リスク管理が不可欠となります。
日雇い派遣は非常に便利な仕組みである反面、守るべきルールが厳格に定められています。企業が安心して日雇い派遣を活用するためには、「どの派遣会社に依頼するか」が鍵となります。ここでは、信頼できる派遣会社を見極めるための3つのポイントを紹介します。
スタッフの例外要件を「本人の自己申告」だけで済ませていないか、証明書類の確認フローがシステム化されているかを確認しましょう。法令遵守が徹底されている会社は、企業側のリスクも最小限に抑えてくれます。
60歳以上のベテラン層が多いのか、フットワークの軽い昼間学生が多いのかなど、派遣会社によって得意とする登録スタッフ層は異なります。自社が求める業務にフィットする層を安定して供給できる会社を選びましょう。
「この業務なら日雇い派遣が可能です」「この場合は直接雇用の方がリスクが低いです」といったように、企業の状況に合わせて的確な提案をしてくれる派遣会社は、長期的なビジネスパートナーとして信頼に値します。
人材派遣会社に依頼をする際には、自社のニーズや課題に合わせて選ぶ必要があります。「会社に定着してくれる優秀な人材」が欲しい場合は、地域に根ざした手厚いフォローがあり、地元で働きたい人材を派遣会社で育成をしている地域密着型の人材派遣会社がおすすめ。
急な欠員などで、「短期・単発の柔軟な人材」が欲しい場合は、全国各地から即座に人材を集められて、一日や一週間といった柔軟な人材確保をしやすい全国展開の大手人材派遣会社がおすすめです。
それぞれのニーズにあったおすすめ人材派遣会社をご紹介します。
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| 所在地 | 東京都大田区西蒲田5-27-10 りそな蒲田ビル4F |
|---|---|
| 創業 | 2006年 |
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引用元:スタッフサービスグループ(https://www.staffservice.co.jp/)POINT!
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| 所在地 | 東京都千代田区神田練塀町85 JEBL秋葉原スクエア |
|---|---|
| 創業 | 1981年 |
※選定条件
Googleで「大田区 人材派遣会社」で検索した上位20社の中から、大田区に拠点があり、派遣社員を自社で長期雇用し、派遣期間が終了すると、自社の職場に戻る、という仕組みを作り、長く働いている派遣社員を確保している(2021年4月22日時点※1)株式会社エヌエフエーと、上位20社の中で業界屈指の登録人数の(2020年3月時点。編集チーム調べ※2)スタッフサービスを選定。
(※1)参照元:株式会社エヌエフエー公式HP(https://www.nfa-g.com/new-model.html)
(※2)参照元:株式会社スタッフサービスグループ公式HP(https://www.staffservice.co.jp/client/)